安い乾湿計を通風乾湿計に改造しSprungの公式で湿度を計算、表計算のソルバー機能で乾湿計係数を校正した

これはブログ「うどん屋のカレー」に書いた乾湿計の改造記事への追加で、改造後のハードウエア的な性能改善(の取り組み)、表計算による湿度の計算方法、基準とする市販湿度計とソルバー機能による校正方法 を加えたものになる。 ブログと合わせて見ていただくのは面倒と思うので、ブログの内容も推敲してここに掲載した。


その1 安い乾湿計を通風乾湿計に改造

電気式の湿度計は1000円で誤差±2%のものが買えるが、ネット情報によると、経時変化でセンサー部品が劣化するので そうなると買い換えるしかないらしい。 経時変化は環境の影響が大きいためか?公式情報は無いようで、何年、何ヶ月に一度買い換えれば良いのかはわからない。 全ての電気式のセンサーを使った製品が同じとも限らないが、広告を見ても経時変化について詳しく触れられていないため判断のしようも無い。

片や、安いガラス管の乾湿計は湿度測定の精度が悪く、製品によっては誤差のスペック表示がなかったりする、ただ、時々メンテと自宅での校正(校正はこのページの後半に記載)さえしておけば、コアとなるガラス製の温度計部分はそれほど劣化することはないと思う。

個人で安心できる精度の湿度計が欲しい場合は、動作原理や劣化の仕方が異なる電気式とガラス管式の湿度計を最低1台ずつ並べておき、時々比較してズレが大きくなってきたら電気式の湿度計を1000円で買い換えるのが現実的と考える。

ただ、安いガラス管の乾湿計は何もしないと もともと湿度測定の誤差が大きいため、測定値の比較さえ面倒である。

測定精度を良くするため、 SK SATO 乾湿計 SK式1号 に送風装置をつけて通風乾湿計に改造した。


アクリル製以外のフィギュアケースはイマイチ気に入らないのでこれを潰して入れ物をつくる、 かぐや様 には出てもらった
https://www.hobby-wave.com/products/tc241/
説明の図


主な材料
上記のフィギュアケース https://www.hobby-wave.com/products/tc241/
乾湿計 https://shop.sksato.co.jp/1519-00  https://amzn.to/47EnF2u
PCケース用を流用したと思われるUSBファン https://amzn.to/4kJpYEk
説明の図


ホールソー Φ63mm + ボール盤 で穴あけ
アクリルほどではないが油断するとパリッと割れそうな材質に感じたので恐る恐る作業、結果、敷いた板に密着させてホールソーで切る分には全く問題無かった
説明の図


ケースの上下にΦ63mmの穴(たまたま家に有ったサイズ)
ケース背面に乾湿計ぶら下げ用ネジを刺すΦ5mm穴1個
加工はこれで完了のつもりだったが、この後、ファン取り付け穴Φ3mmを4個、足用のネジ取り付け穴Φ5mmを4個追加した
乾湿計ブラブラ対策用ネジの穴は組立後の追加のため新たな穴あけはせずフィギュア固定用に元から開いていた穴を流用した
写真にある白っほい木片は足にするつもりだったが製作中に気が変わってネジの足にしたので使わなかった
説明の図


輻射熱除け(直射日光下・屋外 では使わないのでおまじない程度のつもりだが)のアルミ箔をスプレーのりZ-3で貼り、ファンを取付、ひとまず組み立て完了
説明の図


乾湿計をつるしたところ
この状態で組み立ててファンを回すと風の力で乾湿計が共振して揺れが止まらなくなることがわかった
尚、ファンの熱がケース内温度に影響を与えないように風の向きはケース下から吸込み上方向吹き出すようにしている
説明の図


揺れ防止のため下側に出っ張りを設けてブラブラしないようにした
説明の図


ひとまず完成
右側の精度±2%を謳う新品の温湿度計 https://amzn.to/46enTet (写真は70%だが測定時は湿度71%)と比較したところ 湿度75% と出た
※ 湿度の読みは乾湿計の目盛を使わず、計算用のエクセルシートをこちらからいただきました
  http://denbei.o.oo7.jp/f1/?p=301
説明の図


測定環境
物が少ない作業台の上に湿度計を並べて置き、少し離れたところにルーバーも回転させた扇風機を3段階中1で回している、湿度計の周囲の空気が滞ると湿度計同士の測定値が ばらける ようなので。
今は室外からの風が吹き込むと温度湿度が急変する可能性があるので測定時は窓は閉めるべきと考えているが、この当時は気が回らず網戸になっている。
基準とする白い温湿度計は、周囲に空気が滞留しないようにカメラ用のミニ3脚に載せている。
茶色い温湿度計もほぼ同時期に買ったもの、こちらは誤差スペック5%。
説明の図


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乾湿計に通風させることで安定且つ高精度に測定できることを期待していたが、安定かどうかはとにかく、少なくとも精度は不充分であることがわかった。
実際にはこの後に多少の試行錯誤をしながら改修や実験を行っているが、ここでは最終的に行ったことのみを以下に記載する。


湿球のガーゼを外し、温度計のガラスに こびりついた 汚れや水道水中のミネラル分?をクレンザーやブラシで綺麗にした
余計な汚れがあると、汚れ度合いが変わることで測定値が変化すると考えられるので、いつも綺麗にしておく必要がある
尚、ガーゼも汚れたり固くなったら交換する必要があるらしい(メーカー情報)。
説明の図


乾湿計で測定した湿度は、ほとんどの場合に電気式の湿度計よりも高く出るようだ。
高く出ると言うことは「湿球の温度が本来よりも下がりにくくなっている」と考えられる。
湿球の周囲の通風が悪くなりそうな、温度計の白灯油が溜まっている丸い部分を隠すプラスチックのカバー を取り去った
尚、写真の湿球のガーゼは購入時についていたものとほぼ同等に見えるガーゼを購入して交換しているが、気化熱を奪うにしてはちょっとスカスカ過ぎるように思えたので後で別の物に変えている(後述)。
説明の図


湿球の布を取り外し、水を入れる容器も取り外した状態で、製作したケースに入れてケースのファンを回し、すぐ横に置いた基準となる温度計と全く同じ温度になるように、ガラス管の温度計を上下に動かして温度を校正する、乾球用、湿球用とも行う。(この写真は後から撮ったので湿球に布が巻いてあるが校正時は外している)
目盛がプラスチックの方に記されているため、根気よくやれば基準の温度計と完全に合わせることが出来る。(その温度において完全 の意味。直線性はわからないので)
尚、ケースファンを回すとガラス管の温度計の表示温度が少し下がるが、ファンを回した状態でケースの横(ケースの外)に置いた基準の温度計に合わせている。そうしないと いつも温度が合わなくなってしまう。
合わせた後は接着剤でずれないように固定する、写真の左側。
※ これは9年前に購入して家にあった SK SATO 乾湿計 SK式1号 に対して行った改造なので、どの乾湿計でもできるとは限らない。 説明の図


ガーゼの代わりにサラシを使うことにした。
布の違いで測定結果に違いが出る可能性があるので、後々まで入手性が良さそうな製品がベターのため白十字株式会社の白十晒 https://amzn.to/4gjJIOb を選んだ。
2番目の写真は、購入時乾湿計に付いていたガーゼと白十晒の拡大写真 もともと巻いてあったガーゼの寸法が10x4cmだったので、その大きさ+αに切って、余計な油分や化学物質を落とすため鍋で煮沸して、使用している。
説明の図
説明の図
説明の図


サラシは手持ちの たこ糸 で縛った、糸が測定に影響が無いとも言い切れないので、このたこ糸は乾湿計専用にして 使い続ける予定。
説明の図


湿球のガーゼ(この場合はサラシ)は2重に巻くと気化熱を奪いにくくなるらしい(URLを忘れてしまったがメーカー情報)。
極力重ならない幅に布をカットして、たこ糸で巻いた。
また、水を吸い込んでサラシが濡れてくると、布とガラスに隙間がある部分と隙間が無い部分は色が変わって見える、当然、隙間が出来ないように巻いた方が気化熱を奪いやすくなるし、隙間が安定しないと測定値も安定しなくなると考えられる。
また、上側(写真では左側)の布の断面を内側に折り込んで見せないように巻く方法もあるが、見た目は気にせず 隙間が少なく安定していること を重視して巻いている。
説明の図



その2 Sprungの公式による湿度の計算、表計算のソルバーを用いた乾湿計係数の校正

説明の図


説明の図



LibreCalcシートのDownload
* LibreCalcで作成しています。
  LibreCalcからのエクスポートでエクセル形式のファイルも同梱しています。エクセルの方はあまり確認していませんがソルバーはそのまま使えました。

Sprung.zip



参考にさせていただいた 文献・サイト等
https://www.daiichi-kagaku.co.jp/situdo/note/arekore05/
https://www.daiichi-kagaku.co.jp/situdo/note/arekore08/
https://kikakurui.com/b7/B7920-2000-01.html
https://kikakurui.com/z8/Z8806-2001-01.html
http://denbei.o.oo7.jp/f1/?p=301





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